2024.11.05
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結核予防会は毎年、募金の目的でシールを発行しています。このシールには、複十字「‡」のマークが入っていますが、ご覧になったことはありますか。募金活動は1904年にデンマークで始まり、その後徐々に世界へ広がっていきました。
アメリカでは、社会運動家であったビッセルBissell(1861-1948)が1907年、結核患者を支援するためにデンマークの例に倣ってシールを創案しました。当初、彼女は自らがデザインしたシールを、クリスマスの時期に合わせて販売していました。当時の値段は、1枚わずか1セントに設定されていましたが、これはこの金額であれば、どんなに貧しい人でも支援に参加することができると考えたからでした。しかし残念ながら、このシールは初年度は全く売れませんでした。
ところが翌年、著名なイラストレイターによるデザインを採用したところ、一気に3000ドルを売り上げることができました。以後アメリカでは、複十字シールはクリスマスの風物詩になっているのです。実は日本では、1957年から運動を開始しているのですが、なかなか周知してもらうところまでは浸透していないようです。日本での結核患者数は減少してきているものの、罹患率は先進国の中でもいまだに高い状況にあります。