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2024.08.27

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ランゲルハンス島

 インスリンという言葉は、ラテン語で「島」を表すinsulaと「化合物」を意味するinからできています。島というのはランゲルハンス島のことを指していて、これは人の名前になります。

 ランゲルハンスPaul Langerhansは1847年、ドイツで生まれました。ベルリン大学に在学している時から病理学の研究をしていましたが、21歳になる1868年、膵臓の全体に島状に散財する細胞が存在することを発見し、世界で初めてこれを報告しました。後にこの細胞が、血糖値を上昇させるグルカゴン、下降させるインスリンというホルモンを分泌していることが解り、糖尿病の研究は加速度的に進展していったのでした。

 1873年にランゲルハンスはフライベルグ大学の教授に就任しましたが、まもなく肺結核に罹り、1875年には療養のためポルトガル領のマデイラ島に転地しました。彼はその島で医療のほか、生物学の研究も行なっていました。1885年に結婚しましたが、3年後の40歳で亡くなりマデイラ島に葬られました。

 彼の死後の1893年、フランスの組織学者がランゲルハンスに敬意を表し、細胞に彼の名前を付けました。彼が晩年を過ごしたマデイラ島も、ランゲルハンス島と呼びたいところです。

 

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