2024.01.18
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19世紀初頭、アメリカでは人口の増加に加え西部の開拓が進む中で、医療の需要も増えていました。これに対応するため急激に医学校が増え、医師の数も増加していきました。しかし付け焼き刃で作られた学校は、1〜2年のいい加減な教育で卒業資格を与える劣悪なものが多く、医療は大変な混乱を来しました。
すると医師たちの間に、その現状を改善しようとする動きが少しずつ起こりました。運動は次第に広がり、やがて全国規模での団体組織を作るようになっていきます。そして1847年、ついにアメリカ医学協会が設立されたのです。
協会は医学教育の改革、医学研究の促進、公衆衛生の向上などを目的に活動しました。その結果、1908年からの20年で約100の医学校が閉鎖され、これに伴い医師の数も減少していきました。こうして医療の質を上げていくことに成功し、やっとヨーロッパの医療水準に達することができたのでした。
あの時、ぬるま湯に浸かったままの甘えの医療環境が続いていたら、アメリカ医学は崩壊していたと考えられます。純粋な気持ちで自らを律するという厳しさを貫いたことが、現在のアメリカの医療を築き上げてきたのです。