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2023.08.28

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コルセットの使い方

 一般には、腰に装着するものをコルセットと呼んでいます。メッシュ素材で動きを許容する軟性のものと、プラスチックや金属でできていて曲がらない硬性のものがありますが、特に軟性のものには「ダーメン・コルセット」という名前がついています。

 ダーメンdamenとは、ドイツ語で「女性、婦人」を意味します。中世から近現代に至るまで、ヨーロッパでのコルセットは、女性がウェストを細く見せるための用具として普及していました。20世紀になって、腰を固定する医療用としての使用が広まり、この際にダーメン・コルセットという名称が定着したのでした。

 コルセットは、腰の動きを抑えて痛みをとるのではありません。装着する時はしっかりお腹を圧迫して、腹圧を高めます。これによって、腰部の筋肉(脊柱起立筋)にかかる負担を軽減するのが治療の原理です。重量挙げの選手が、競技の時にお腹にベルトを巻くのと同じ意味になります。

 長期にわたってコルセットを漫然と装着すると、装具への依存傾向が生じたり、脊柱起立筋の活動を低下させる危険があります。手術後などの特殊な場合を除き、できるだけ装着時間を短くする、時々外して腰痛体操をするなどの配慮が必要です。

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