2023.08.16
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ニオイを感じる「嗅覚」は、とても鋭敏な感覚の1つです。この感覚を司るのは嗅神経と呼ばれる脳神経です。脳神経は12個ありますが、このうち一番目に数えられる神経ですから、ニオイを嗅ぐということが生物が生きていくうえで大切な情報収集であることが伺えます。
漢字では、良いニオイの時は「匂い」を、不快なニオイの場合は「臭い」を用います。体臭や口臭、加齢臭などは「臭」の字が用いられますから、一般には心地よくないニオイを指しています。「臭い」と書いて「くさい」とも読むことからも分かります。英語でニオイのことは、オウダーodorとかスメルsmellと言いますが、どちらの言葉にも悪臭という意味があります。
香水は、16世紀に入浴が禁じられたヨーロッパで、体臭を消すために用いられるようになったのが始まりです。本来なら独特の「匂い」をもたらしますが、あまりに強い香りでは「臭い」にもなってしまいますから、要注意です。慣れてしまうと、他の人が敏感に感じていても自分ではなかなか分からないもの、それがニオイです。
地球温暖化により、以前ほど四季の区別がはっきりせず夏の温度上昇が大きくなったと言われています。温度だけで自然の変化を感じようとすると、体が混乱します。時代は変わっても、「匂い」で季節の移ろいを感じる時間を大切にしたいものです。