2022.04.02
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国際空港では、入国管理の手前に検疫があります。海外から帰ってきた人で体調の悪い人は、ここに申し出なければいけません。検疫は、英語でクアランティーンquarantineと言いますが、この語源になったのはイタリア語で、意味は「40日間quarantina」となります。
北イタリア最大の観光地ベニスは、「水の都」と言われていますが、実は昔から伝染病が多く発生している町でした。紀元900〜1500年の間には、なんと63回もペストが流行したとされています。そこでベニスの人々は、なんとか病気を予防する方法はないものかと考えました。そして伝染病は、どうも外国から帰ってきた船員が持ち込むのではないかと予想したのです。
まずは発病した船員が乗っている船を港の外に停泊され、その間は誰も上陸させないという対策をとりました。1374年、これが世界で最初の「隔離」という概念になったのです。試行錯誤の末、停泊期間は40日間と決められたのでした。
最近では伝染病も進化してきていて、その侵入予防も難しくなってきています。クアランティーンという言葉も、いずれ意味のないものになるかもしれません。