2022.02.13
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1856年、ドイツで1組の骨の化石が偶然に発掘され、ボン大学の解剖学教室に送られました。そして調査の結果、これがなんと太古の人類の骨と判断され、発掘された渓谷の名前をとってネアンデルタール人と命名されました。
しかし有名な学者たちは、この結果を完全に否定しました。骨の形態が違うのは病気のための変形であって、人類の進化と結び付けるのはナンセンスであると言ったのです。これによって以後30年間、化石は博物館で埃をかぶることになりました。
ところがその後、同様のヒト化石骨が各地で相次いで発見され、人類が何万年も前に広く分布していたことが確実となったことで、再びネアンデルタールの化石に注目が集まりました。そしてネアンデルタール人は、今日のホモ・サピエンスに進化してきたのか、途中で絶滅したのかが論争の的になりました。
1997年、ネアンデルタール人の上腕骨からDNAが採取されて分析が行われました。その結果、約60万年前に現代人と分かれたものと結論付けられたのです。すなわち、ネアンデルタール人はホモ・サピエンスの祖先ではなく、「いとこ」に当たることが決まったのでした。
丈夫な骨は、地球の歴史研究にも大いに役立つわけです。ネアンデルタール人も、カルシウムをしっかり摂っていたのでしょう。