2024.10.25
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全身の関節のうち、顎の関節は肩関節と同じように、とても外れやすい関節です。しかし肩関節と異なるのは、顎は圧倒的に高齢者の方が外れやすいことです。肩は無理な動作をしなければ生活はなんとかできますが、顎は食事動作やあくびなど、どうしても大きく動かす必要がありますから、年をとっても安静にするわけにはいきません。
「ビックリして顎が外れる」という表現が使われることがありますが、実はこれは間違った使い方です。本来、顎を外すというのは「大いに笑う様子を示す」ものですから、笑い過ぎて顎が外れるということなのです。またこれと似た表現で、「顎が落ちる」という言葉がありますが、こちらは「味がとても美味しいこと」の形容ですから、ほっぺたが落ちるというのと同義語になります。
あまり知られていない表現に「顎振り三年」というのがあります。これは元々、尺八の稽古が容易ではないことから、その習得にかなりの時間を要することを意味して使われる言葉で、「石の上にも三年」と通じるところがあります。
顎は不安定な関節です。人を「顎で使う」ような無理がかかることはさせずに、労わってあげてください。