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2022.10.16

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10セント募金活動

 脊髄性小児麻痺(ポリオ)はウィルス感染による病気で、生後6か月〜15歳児に発症することが多いために、こう呼ばれています。

 かつてアメリカでは、毎年のように繰り返されるポリオの流行が多数の小児患者を生んでいて、大きな犠牲を払ったという共感が国民の間に強まっていました。そこでロックフェラー研究所では1927年から、ポリオワクチンを作る実験が開始されました。しかし急速に発展したワクチン開発のため、財団の助成金だけでは足らなくなりました。そこで1938年、「10セント募金活動(マーチ・オブ・ダイムズ)」が登場することになります。10セントは約10円のイメージです。

 この活動は従来の善意の寄贈ではなく、「基金」として継続的に膨らませられました。高額の寄付に応じた有名人人には、ポリオ・クルセイダーズ(ポリオ十字軍)の称号が用意されました。これに参加した人には、野球選手のジョー・ディマジオ、政治家のニクソン、歌手のビング・クロスビーらがいます。

 現在、ポリオが制圧されたアメリカでは、この募金財団がポリオ以外の難病の治療に活動を続けています。啓蒙ポスターには、「あなたのお陰で、私は負けないでいられるのです(I’m winning because of you)」という標語が書かれています。

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