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2022.05.09

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マルファン症候群

 マルファンBernard Marfan(1858-1942)は、フランス小児科学の創始者と言われています。彼はとても研究熱心で、多くの業績を挙げましたが、特にジフテリアの治療や小児の給食方法の調査について力を注いでいました。

 彼の名前が残っているのが、マルファン症候群という病気です。彼は1896年のパリの学会で、手足が長い痩せた体型の5歳女児について報告しました。少女の指が細くて関節が非常に柔らかかったことから、これは「くも指」といわれました。その後、同様の患者が報告されるようになり、くも指の他にも心臓の異常や目の病気(水晶体変位)を伴う可能性があることが明らかになってきました。そしてこの病気は、次第にマルファン症候群と呼ばれるようになったのです。病気の原因は、遺伝的な発育異常と考えられています。

 アメリカ第16代大統領のリンカーン、曲芸的な演奏で人々を魅了した天才バイオリニストのパガニーニ、超人的は演奏を披露した歴史的ピアニストのラフマニロフらの大きな手や長い指は、マルファン症候群として知られています。

 マルファンは84歳でこの世を去りましたが、大変に忍耐強く紳士的で、模範的な臨床医として知られていました。

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